新座駅前なわ内科外科クリニックの漢方治療
気になる不調のこと、気になる漢方のこと、まずは、お医者さんに相談しましょう。診察では患者さんに悩んでいる症状を話していただき、その患者さんに合った漢方薬を処方します。漢方薬は、より飲みやすい粉薬として1日2回の細粒剤も処方していますので、ご希望があればお申し付けください。
- 小青竜湯(ショウセイリュウトウ)
- 加味逍遙散(カミショウヨウサン)
- 麻黄湯(マオウトウ)
- 補中益気湯(ホチュウエッキトウ)
- 六君子湯(リックンシトウ)
- 加味帰脾湯(カミキヒトウ)
- 芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)
- 抑肝散加陳皮半夏(ヨクカンサンカチンピハンゲ)
小青竜湯
鼻水・鼻炎でお悩みの方向けの漢方薬
漢方では「気(き)・血(けつ)・水(すい)」がバランス良くめぐって健康を保っていると考えます。なかでも「水(すい)」は、血液以外の水分や体液を指すもので、食べ物や飲み物の中の水分を消化吸収によって人の体に必要な形にして、体をうるおすもののことです。体の「水(すい)」のめぐりがうまくいかずに排泄できないと、体内に余分な「水(すい)」がたまりやすくなり、さまざまな不調を起こします。その「水(すい)」が鼻からあふれ出たものが鼻水(鼻汁)です。また、「水(すい)」が「気(き)」の流れをさまたげるため、その「気(き)」を動かそうとしてくしゃみが出ます。
漢方薬「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」は、「水(すい)」によって冷えた体の部分を温めながら水分代謝を促すとともに、「気(き)」を動かして、鼻水(鼻汁)・くしゃみなどの鼻症状を抑える作用があります。眠くなる成分が入っていないので、仕事や学校で眠くなりたくない方にも適しています。水のような鼻水(鼻汁)や痰(たん)、くしゃみ、鼻づまり、咳などの症状があるとき、かぜやアレルギー性鼻炎などのときによく処方されます。また、花粉症の治療にも使われているほか、鼻炎、気管支炎、気管支喘息(ぜんそく)などにも用いられます。
小青竜湯が向いている人
体力中等度又はやや虚弱で、うすい水様のたんを伴うせきや鼻水が出る方
- 気管支喘息
- 鼻炎
- アレルギー性鼻炎
- むくみ
- 感冒
- 花粉症
次の人はクリニックで相談してください
(1)医師の治療を受けている人
(2)妊婦又は妊娠していると思われる人
(3)体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)
(4)胃腸の弱い人
(5)発汗傾向の著しい人
(6)高齢者
(7)今までに薬などにより発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人
(8)むくみ、排尿困難の症状がある人
(9)高血圧、心臓病、腎臓病、甲状腺機能障害の診断を受けた人
加味逍遙散
女性特有の症状や、心身の不調の改善に効果的な漢方薬
漢方製剤「加味逍遙散(かみしょうようさん)」は、「血(けつ)」の不足から「気」が余り、たまった「気」が熱に変わってさまざまな症状を引き起こしている方に向いている処方です。
「気」が熱に変わると、暖房で暖められた空気と同じように、体の上に上がっていきます。「加味逍遙散」は、この上昇した「気」を下に降ろして全身にめぐらせるとともに、たまった熱を冷やし、さらに、不足している「血(けつ)」を補うことで、体のバランスを整える漢方処方です。とくに、「肝」に異常があり、交感神経が興奮したことによるイライラ、不眠症などの中高年女性の方の神経症状によく用いられます。また、自律神経を調整し、イライラやのぼせを鎮めて、血行も促進します。
加味逍遙散が向いている人
体力中等度以下で、のぼせ感があり、肩がこり、疲れやすく、精神不安やいらだちなどの精神神経症状、ときに便秘の傾向のある方
- 冷え症
- 虚弱体質
- 月経不順
- 月経困難
- 女性ホルモンの変動に伴う諸症状
- 更年期障害
- 不眠症
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(1)医師の治療を受けている人
(2)妊婦又は妊娠していると思われる人
(3)胃腸の弱い人
(4)今までに薬などにより発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人
麻黄湯
熱の初期に使うと効果がある漢方薬とされ、今朝からの風邪、昨日からの風邪といった場合に出番があります。
麻黄等を使用すると、「1日汗をびっしょりかいたけど次の日に治った」というような経過をします。効果が出るまでは比較的早い漢方薬になります。漢方薬では、配合生薬の組み合わせの数が少ないものは効果がでるのが早いとされており、4種類の生薬の麻黄湯は効果が出るのが早いです。
悪寒、発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、腰痛、節々の痛みなどに効果があります。
麻黄湯が向いてる人
かぜ症状があるものの、汗が出ない方
インフルエンザの時のような、高熱や節々が痛む方
次の人はクリニックで相談してください
(1) 医師の治療を受けている人
(2) 妊婦又は妊娠していると思われる人
(3) 胃腸の弱い人
(4) 発汗傾向の著しい人
(5) 高齢者
(6) 今までに薬などにより発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人
(7) むくみ、排尿困難の症状がある人
(8)高血圧、心臓病、腎臓病、甲状腺機能障害の診断を受けた人
補中益気湯
だるくて疲れやすい方向けの漢方薬「補中益気湯」
「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」は、生命活動のエネルギーである「気」の量が不足した「気虚(ききょ)」の状態の方に用いられる処方です。「気」は、人の体を支えるすべての原動力のようなものです。機能は壊れていなくても、動力(気)がないと動けません。
「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」は、中(体の内側)を補って、気を増やす”という意味で名付けられています。胃腸のはたらきを高め、食欲を出すことで「気」を増やし、「気」を上のほうに動かしてめぐらせることで、元気を補い、胃腸の消化・吸収機能を整えて疲れを改善していく処方です。
補中益気湯が向いている人
虚弱体質の方
疲労倦怠の方
病後の方
術後の衰弱の方
食欲不振の方
ねあせが出ている方
感冒の方
次の人はクリニックで相談してください
(1)医師の治療を受けている人
(2)妊婦又は妊娠していると思われる人
(3)今までに薬などにより発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人
六君子湯
食欲不振などの胃腸の調子を良くしたい人向けの漢方薬「六君子湯」
“胃の調子が悪く、病院に行っても異常が見つからない”という場合は、一般的にもともとの胃腸のはたらきが弱っていることが考えられますので、注意が必要です。これは、胃腸が疲れてしまい、胃腸で生み出される「気」が少なくなっている状態だと漢方では考えます。
「六君子湯(りっくんしとう)」は、「気」の流れが滞って胃腸の機能がトラブルを起こしているときに、「気」を補ってめぐらせる処方で、胃腸のはたらきを高める作用があり、胃の痛みやもたれなどの不快感を改善する医薬品です。食欲がわかない、吐き気がするといった症状の他、胃がもたれる(消化不良)、胃が痛い(胃痛)、胸やけがするなど胃腸が弱っている方に処方されます。「六君子湯」は、8つの生薬(人参、半夏、茯苓、白朮、大棗、陳皮、甘草、生姜)の作用で、胃の痛みなどの原因となる胃の排出機能を整えます。冷え症気味で比較的体力が低下している方におすすめできる漢方製剤です。
六君子湯に向いている人
胃炎の方
胃腸虚弱の方
胃下垂の方
消化不良の方
食欲不振の方
胃痛の方
嘔吐の方
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(1)医師の治療を受けている人
(2)妊婦又は妊娠していると思われる人
(3)今までに薬などにより発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人
加味帰脾湯
不眠症で悩んでいる方向けの漢方薬「加味帰脾湯」
人は夜になると、「気」から生じる熱を鎮めることで眠ります。ところが、このとき「血(けつ)」が足りていないと、「気」のエネルギーを十分に鎮めることができず、昼と夜のメリハリがつかない状態になってしまいます。そのため、いわゆる浅い眠りの時間が多くなり、なんだかスッキリしないという状態になるので注意しましょう。
漢方製剤「加味帰脾湯(かみきひとう)」は、消化器のはたらきを助けながら、足りない「血(けつ)」を増やして不眠を改善するものです。「血(けつ)」を補ったり、「気」をめぐらせたりする処方(生薬)によって、気持ちを落ち着かせることで、精神を安定させる作用があります。血色が悪く、貧血気味で、精神的なストレスや不安感、不眠、焦りなどの神経症状(イライラだけではなく)がある方、胃腸が不調な方などに使用されるお薬です。
加味帰脾湯が向いてる人
貧血の方
不眠症の方
精神不安の方
神経症の方
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(1)医師の治療を受けている人
(2)妊婦又は妊娠していると思われる人
(3)今までに薬などにより発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人
芍薬甘草湯
足のつり、こむらがえりしやすい人向けの漢方薬
「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」は、一般的に筋肉がけいれんして、急に強い痛みが出た方、運動中や就寝中に足がつる方、たまに運動するとこむらがえりや腰痛を起こす方などにおすすめの漢方製剤です。
筋肉がつった状態は、「気」と「血(けつ)」が一時的に不足している状態。言い換えれば、動力と栄養分が足りなくなった状態というのが漢方の考え方です。激しい運動をしてたくさん汗をかいたときや、就寝前に起こりがちな足のつり(こむら返り)には、不足した動力と栄養分を補給することで対処します。
「芍薬甘草湯」は、不足してしまった「気」と「血(けつ)」を補い、筋肉の急なけいれんを鎮める作用のある処方です。他に、筋肉のけいれんを伴う腹痛や腰痛にも効果があるのもポイントのお薬です。
芍薬甘草湯が向いている人
こむらがえりの方
筋肉のけいれんの方
腹痛の方
腰痛の方
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(1)医師の治療を受けている人
(2)妊婦又は妊娠していると思われる人
(3)高齢者の方
(4)むくみがある方
(5)高血圧、腎臓病がある方
抑肝散加陳皮半夏
神経が高ぶっていらだちやすい方向けの漢方薬「抑肝散加陳皮半夏」
漢方では、「肝」という考え方があり、文字通りの「肝臓」という意味だけでなく、精神や自律神経の機能・はたらきも含めた幅広い概念として考えています。「肝が高ぶる」とは、精神が高ぶることであり、怒りやイライラが現れます。また、「血(けつ)」が不足していると、ストレスに対する耐性が低くなってしまいます。そのため、「血」の不足で、ちょっとしたストレスでも「気」のめぐりが阻害され、イライラ、怒りっぽい、などの症状が出てしまいます。とくに、「気」のめぐりが悪く、その怒りが強い場合は、いわゆる「感情を抑えられない、物に当たる・・・」といった行動をとってしまうことがあります。
「抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)」は、「肝」の高ぶりを抑える作用のある「抑肝散」に「陳皮」と「半夏」を加えた処方。自律神経系の調節をしながら「血(けつ)」を補い、「気」「血(けつ)」をめぐらせる処方です。「肝」の高ぶりを抑え、「気」「血」のめぐりがよくなった結果、ストレスによる身体への影響を除き、自律神経を安定させる作用があります。さらに、胃腸のはたらきを整える作用があるため、胃腸の弱い方でも服用しやすい処方です。また、一般に「抑肝散」「抑肝散加陳皮半夏」は、母子同服、すなわち親子で飲める薬として用いられてきました。
※母子同服…夜泣きなどがある神経過敏なお子様の場合、母親も神経過敏なことも多く、それが影響しているという考え方のもと、母親にも薬を服用してもらうという考えのこと
抑肝散加陳皮半夏が向いている人
神経症の方
不眠症の方
小児夜泣きの方
小児疳症(神経過敏)の方
更年期障害の方
血の道症の方
歯ぎしりの方
(注)「血の道症」とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状を指します。
次の人はクリニックで相談してください
(1)医師の治療を受けている人
(2)妊婦又は妊娠していると思われる人
(3)胃腸の弱い人
(4)今までに薬などにより発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人